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2026年8月7日

東京農業大学 研究・産学官地域連携推進部 御中

東京農業大学 × ローカルGX
連携ディスカッション

PBLと社会実装の連携 — 網走川流域から

日本GXグループ株式会社 / 東邦レオ株式会社

0本日ご相談したいこと

私たちは、学生が地域の現場に入りながら「ローカルGX(LGX)人材」へ育っていく教育×社会実装の仕組みを、宮崎大学を起点に実証してきました。

その次の舞台として考えているのが北海道・網走川流域です。東邦レオは2026年4月、流域の農業者・漁業者による「網走川流域の会」と包括連携協定を締結し、流域全体を最適化する事業づくりを始めています。私たちが動き始めたこのフィールドは、貴学オホーツクキャンパスの足元でもあります。

オホーツクキャンパスの先生方とは既に意見交換を重ね、前向きな反応をいただいています。本日は、ご一緒できそうなテーマや、実施に向けてクリアすべきポイントについて、ディスカッションさせていただければと考えています。

論点A

テーマ:ご一緒できそうな領域

論点B

実施に向けてクリアすべきポイント

論点C

最初の一歩:小さく試すなら

→ 詳細は最終セクション「本日のディスカッション」へ

CHAPTER 01

私たちについて

WHO WE ARE

1-1私たちについて:日本GXグループ

日本GXグループJCXJ-POWER
会社名
日本GXグループ株式会社(2023年設立)
代表者
共同CEO 吉岡 賢史 / 共同CEO 細目 圭佑
主要株主
J-POWER(電源開発)、All About、東邦レオ、HAKOBUNE、クオンタムリープ、Flag41
保有特許
特許第7598185号(Jクレジット個人等取扱活用方法)ほか
グループ会社
日本GX総合研究所、宮崎大学発ベンチャーBIT
大学連携
宮崎大学・龍谷大学・新潟大学・岡山大学ほか/環境省「大学等コアリション」にて活動発表

カーボンクレジット・環境価値プラットフォーム

JCX運営、Jクレジット細分化・個人所有プラットフォーム(特許取得)

GXアドバイザリー・開示支援

TCFD/ISSB対応、GX戦略・ロードマップ策定

一次産業・地域GX

農林水産業の環境価値創出、地域資源の高付加価値化

GX-DXシステム開発・データ基盤

環境データ基盤の構築・IoT/AI/API連携

1-2私たちについて:東邦レオ

東邦レオGREEN×EXPO 2027

1965年創業。屋上・壁面緑化から、まちの緑のマネジメント、グリーンインフラの計画・施工・維持まで、「緑で、まちと暮らしを良くする」実装を全国で手がけてきた企業です。

日本GXグループの主要株主として資本参画しており、グループとして「環境価値の制度・データ設計(JGX)× 現場のグリーンインフラ実装(東邦レオ)」の両輪を担います。

グリーンインフラ実装

緑化・雨水管理・生態系配慮の計画から維持管理まで

網走川流域の会と包括連携協定

2026年4月締結。流域環境保全で協働(次章)

GREEN×EXPO 2027

2027年国際園芸博覧会(横浜)にパビリオン出展予定

GREEN×EXPO 2027 パビリオンイメージ

GREEN×EXPO 2027 パビリオン計画イメージ

CHAPTER 02

網走川流域

THE ABASHIRI WATERSHED

2-1網走川流域:流域の会との包括連携協定

「網走川流域の会」は、上流の農業者と下流の漁業者が、同じ川を守るためにつくった団体です。活動は10年を超えます。

東邦レオは2026年4月、この会と包括連携協定を締結しました。流域をひとつの単位として、環境保全と事業づくりを地元と並走して進めています。柱は下の3つです。

報道

「網走川流域の環境保全で包括連携協定 — 流域の会、グリーンインフラ事業の東邦レオと」(北海道新聞・2026年4月20日)

包括連携協定の調印式

2026年4月・包括連携協定の調印式(美幌町)

バイオスウェル(浸透溝)の実証施工

バイオスウェル(浸透溝)の実証施工

グリーンインフラ実証

農地の雨水・栄養塩を受け止めるバイオスウェルや貯留池を、流域の農地に実装して検証する。

遊水地・実験農地・観光・ラボを一体化する投資イメージ

遊水地・実験農地・観光・ラボを一体化する投資イメージ

流域ランドスケープの構想

遊水地・実験農地・観光・フィールドラボを一体で描き、官民連携で整備・運営する流域の絵をつくっている。

廃ガラスから生まれた流氷硝子

廃ガラスから生まれた流氷硝子

地域をつなげた体制の共創

流氷硝子のような地域の担い手を訪ね、農業・漁業・観光・クラフトを横につなぐ協力の輪を開拓している。

2-2網走川流域とオホーツクキャンパス

行政界:国土数値情報 / 河川・湖沼:© OpenStreetMap contributors(概略描画)

網走川流域

  • 流域面積約1,380 km²
  • 幹川流路延長約115 km
  • 流域自治体津別・美幌・大空・網走

上流に森林、中流に畑作・酪農、下流に網走湖と漁業。森から海までが、ひとつの流域に収まっています。

東邦レオが協定を結んだフィールドは、貴学オホーツクキャンパスの足元に広がっています。実証地点はいずれも、キャンパスから日常の距離です。

流域最大の課題:網走湖の富栄養化

上流から集まる栄養塩が湖にたまり、アオコや貧酸素がシジミ・ワカサギ漁に影響してきました。流域の会が農業と漁業をつないできた出発点がここにあり、バイオスウェルや貯留池などのグリーンインフラは、この負荷を減らすための打ち手です。

オホーツクキャンパスの先生方とは意見交換を実施済みで、前向きな反応をいただいています。
CHAPTER 03

宮崎で実証した型

THE MIYAZAKI MODEL

3-1構想:地域から環境価値の経済圏をつくる(ローカルGX)

地域の農林水産業・自然資本から生まれる環境価値(CO2吸収・生態系保全など)を、Jクレジットの細分化技術で個人や学生にも届く小さな単位にし、教育・観光・地域経済の中で循環させる。これが私たちの言う「ローカルGX」です。

図:旧来の経済圏(国民・国土・法定通貨)に、クレジットと環境スコアでつながる環境価値経済圏を重ねる構想。図中の各要素はクリックすると解説が開きます。

3-2中核技術:Jクレジットの細分化と特許

世界初 カーボンクレジットの細分化

2件保有特許
特許第7598185号:Jクレジットを個人・小口が取り扱える方法を世界で初めて特許化
特許第7648262号:クレジットの予約権を仲介する取引装置を特許化

3-3実績:宮崎モデル ~社会課題をXSサイズに縮小してプロトタイピング~

宮崎大学では、実務家教員によるPBL科目を起点に、「地球規模の課題(XL)を、大学とスタートアップ(S)を経て、失敗が許されるXSサイズまで縮小して試す」方法論で、教科書づくりから社会実装までを一気通貫で実践してきました。

  • 説明書のない「謎解き教科書」でのPBL授業(地元TVでも紹介)
  • 学生が地域の現場(農業・食・資源循環)で実証プロジェクトを運転
  • 大学発ベンチャーBITの設立、事業化・横展開へ

この「XSから始めて段階的に大きくする」方法論は、後述する大学の参加の建付け(サークル→授業→枠組み)にもそのまま適用できます。

宮崎大学でのPBL授業のようす

社会課題をXSサイズに縮小してプロトタイピング

XSサイズの実践現場

XL サイズ

地球環境問題・国策。大きすぎて誰も手が出せない

S サイズ

大学・スタートアップ

XS サイズ

失敗が許されるプロトタイピング。うまくいったら段階的に拡大

3-4実績:ローカルGX教育 クエストボード

地域の困りごとを「クエスト」として発行し、学生が現場に出て挑む。達成すると一次データ・スキルスコア・小口の環境価値が学生に残ります。学び・地域貢献・環境価値がひとつのループで回る——これが宮崎で動いている仕組みです。全国のフィールドに網走川流域も加わり、道内の複数地点への横展開も構想しています。

凡例:z=クエスト内の報酬ポイント/GXスコア=環境貢献の大きさ/RANK=活動実績の段位。「(イメージ)」のピンとカードの一部は構想中のデモ表示です。

3-5実績:宮崎エリアのローカルインパクト

宮崎キャンプのスポーツ観光客向けシステム

宮崎キャンプのスポーツ観光客60万人向けシステムを開発。環境アクションをすると個人単位でポイントが貯まり、プロ球団との接点が増える行動変容アプリケーション。

里山里海フィールド

山-川-農地-海で活動できる里山里海フィールドを作り、流域自然資本の可視化に着手。

3-6経年でのPBLの流れ ~発起・開拓から横展開まで~

2024年

発起&開拓

  • 授業中に学生3名が主体的に食料サークルを立ち上げる。
  • 山の植生多様性担保に繋がる広葉樹カシの木からできる備長炭をふんだんに使った焼き鳥屋を東京にオープン。

農業生産

  • 農業経営者協会から耕作放棄地を譲り受け、大豆の生産を開始。空気中の窒素を根っこに固定化し、土を休ませる。
  • 切り干し大根の生産需要があるが労働集約的で従事者が激減していることを踏まえてサークル人数をさらに拡大。
  • 宮崎県から日向夏の気候変動対策の課題解決を依頼される。初めての「大人との仕事」に全力投球!
2025年
2026年(今年)

事業化

  • 宮崎大学発ベンチャーとして一次生産法人を組成。農地の取得を可能にする。
  • 海にも責任を持つために「漁業権」を取得。山・畑・海・川を流域として繋ぐ。
  • 宮崎市と連携協定を締結し「企業版ふるさと納税」「脱炭素先行地域のシステム開発」などの案件を獲得。
  • 一次生産繁忙期助太刀事業を開始。

横展開

  • GREEN×EXPO 2027 のパビリオンを自チームで運営
  • 全国の大学で教員を兼務ないしPBLシステムを導入
  • スポーツと環境価値個人保有を掛け合わせ実証実験開始
2027年
GREEN×EXPO 2027 パビリオンGREEN×EXPO 2027 ロゴPress Release
CHAPTER 04

連携の可能性

POSSIBILITIES FOR COLLABORATION

ここからは「ご提案」というより、貴学の取り組みや関心領域とあわせて議論させていただきたい、たたき台です。現時点では、①クエストによるPBL授業や地域実装の共同実装②流域グリーンインフラの文脈における共同研究の2つに可能性があると考えています。

4-1可能性①のたたき台:クエストによるPBL授業・地域実装の共同実装

XS

サークル・課外活動

学生が流域の会の活動やクエストに参加。単位化不要・低リスクで、今すぐ始められる。

意思決定:学生・教員個人レベル

S

授業・PBL科目

オホーツクキャンパスの科目・実習と接続。宮崎大学で実証済みの教科書・クエスト形式を提供。

意思決定:学部・教務レベル

M

共同研究・連携協定

研究室×流域フィールドの共同実験、大学としての連携協定。研究・産学官地域連携推進部が主役になる段階。

意思決定:本部・研究推進レベル

L

技術研究組合への参画

全国の大学・企業・自治体と共同で、教育×環境価値の共通基盤・標準をつくる側に立つ。設立段階からの関与が可能(絵姿は第5章)。

意思決定:大学経営レベル

例:まずオホーツクキャンパスの学生サークル・有志が流域の会の活動に参加(XS)→ 手応えを踏まえて実習・PBL科目へ(S)→ 研究室の共同実験と連携協定(M)→ 技術研究組合の設立メンバーとして全国展開をリード(L)。

連携メニューA:現在のPBL授業との連携
LIVE QUEST STATUS
連携メニューB:実務家教員の配置連携

4-2可能性②のたたき台:流域グリーンインフラの文脈における共同研究

流域グリーンインフラを軸にした共同研究のたたき台です。いずれも「実装先が既にある」のが特徴で、学術的な研究テーマとしての磨き込みは、先生方の関心領域とあわせて議論したいと考えています。

ドローン測量・リモートセンシング

ドローン測量・リモートセンシング

流域スケールの地形・植生・水質モニタリング。積雪・低温という寒冷地特有の制約下での運用手法そのものが研究対象。

実装先:網走川流域フィールド

多自然農法・環境保全型農業

多自然農法・環境保全型農業

生産性と生物多様性・水質保全の両立を圃場で評価。農業と漁業が同じ川でつながる流域ならではの実証テーマ。

実装先:流域の畑作・酪農地帯(津別・美幌・大空)

バイオ炭・土壌炭素固定

バイオ炭・土壌炭素固定

間伐材や農業残渣を炭にして農地へ還し、土壌改良・保水と炭素固定を農業経営に組み込む。地域の資源が地域を巡るサーキュラーデザインの設計・検証。

実装先:網走川流域/宮崎ほか既存フィールド

水耕栽培・緑化システムの内側づくり

水耕栽培・緑化システムの内側づくり

新しいグリーンインフラの植栽基盤・水循環・生育管理を共同開発。博覧会パビリオンという「見せる実装先」がある。

実装先:GREEN×EXPO 2027 パビリオン/都市グリーンインフラ

一次産業経営・環境価値の経済評価

一次産業経営・環境価値の経済評価

農漁業経営に小口クレジット・環境価値がどう効くかを経営データで測る。網走市内だけで農業338経営体・漁業96経営体。

実装先:流域の農業・漁業経営体

エコツーリズム・地域資源のGX価値化

エコツーリズム・地域資源のGX価値化

流氷や廃ガラスのアップサイクル(流氷硝子)など、地域資源を環境価値と物語で結ぶ体験設計・効果測定。

実装先:網走・流域の観光/クラフト事業者

CHAPTER 05

器とゴール

PLATFORM & GOAL

5-1器:技術研究組合で「日本を変える共通基盤」に

4-1の階段のいちばん上(Lサイズ)の絵姿です。宮崎で実証した仕組みを、特定の大学・一社に閉じたものにせず、大学・企業・自治体が対等に参画できる技術研究組合として全国の共通基盤にしていく準備を進めています。大学は研究フィールドと教育の質保証を、企業は実装を、学生は現場での成長を持ち寄る器です。

5-2ゴール:GREEN×EXPO 2027 で世界に見せる

GREEN×EXPO 2027 パビリオンイメージ

東邦レオは、2027年に横浜で開催される国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」にパビリオンを出展予定です。

ここに「学生とつくったグリーンインフラ」「流域から生まれた環境価値」を見せる、という共通のゴールを置けます。網走や宮崎での実証は、博覧会で世界に見せる出口までつながっています。

地域での実証(網走・宮崎)→ 共通基盤(技術研究組合)→ 世界への発信(GREEN×EXPO 2027)

6本日のディスカッションとネクストステップ

論点A

テーマ:ご一緒できそうな領域

クエストを使ったPBL・地域実装や、流域グリーンインフラの共同研究など、貴学の取り組み・関心領域と重なるところはどこか。

論点B

実施に向けてクリアすべきポイント

進めるとした場合、学内の手続き・体制・時期など、何を整理する必要があるか。無理のない建付け(XS〜L)もあわせて伺いたい。

論点C

最初の一歩:小さく試すなら

現地見学やサークル・課外での参加など、負担の少ない形で試せる一歩があるとすれば、何が良さそうか。

ネクストステップ(候補)

  • ① 現地合同視察

    ご関心があれば、オホーツクキャンパス・流域の会・東邦レオ/JGXで網走川流域のフィールドをご一緒に
  • ② テーマの突き合わせ

    共同実験のたたき台と、先生方の研究関心・既存の取り組みを重ねる場づくり
  • ③ 小さく試す

    話が合えば、学生参加の小さな一歩(サークル・課外など)から様子を見ながら

東京農業大学 研究・産学官地域連携推進部 御中|2026年8月7日

流域から始める、教育と社会実装の連携

日本GXグループ / 東邦レオ